2本吊りスリングの各脚にかかる張力の計算方法
荷重をその荷を負担する脚の数で割り、スリング角度係数(水平角のサインの逆数)をかけます。900 kgの荷を2脚・60°で吊ると各脚に520 kgかかります。RigMasterの無料のスリング張力計算機は、これをその場で計算し、角度が浅くなると警告します。
スリング張力が荷重の分担分より大きくなる理由
スリングを垂直に下げれば、2本の脚はそれぞれ荷重の半分を負担します。脚を広げていくと、荷を支えるだけでなく脚同士が横方向にも引き合うようになります。この横方向の力が張力を増やし、脚が寝るほど急に大きくなります。
そのため、荷重の半分に耐えられる定格のスリングでも過負荷になることがあります。重要なのは、脚にかかる張力とタグに記載された垂直使用荷重を比べることです。
玉掛けにおける張力の計算式
脚1本あたりの張力 = 荷重を負担する脚数で割った値 × 角度係数。角度係数は1 ÷ sin(θ)で、θはスリングの脚と水平面がなす水平角です。
計算例:900 kgを2本吊りで吊る場合
| 水平角 | 角度係数 | 脚1本あたりの張力 | バッジ |
|---|---|---|---|
| 60° | 1.155 | 520 kg | 角度は問題なし |
| 45° | 1.414 | 636 kg | 角度は問題なし |
| 30° | 2.000 | 900 kg | 黄色の注意 |
30°では各脚が荷の全重量を負担し、半分ではなくなります。60°から30°になるだけで張力は約73%増えます。
| 水平角 | 角度係数 | 脚1本あたりの張力 |
|---|---|---|
| 60° | 1.155 | 1,155 lb |
| 45° | 1.414 | 1,414 lb |
| 30° | 2.000 | 2,000 lb |
RigMasterでスリング張力を計算する方法
- メイン画面の計算ツール一覧からスリング張力を開く。
- 荷重の項目で総荷重を入力する(初回は900 kgまたは2,000 lbから始まる)。
- スリング本数は2のままにする。
- スリング角度で入力方法を角度にしたまま水平角のスライダーをドラッグするか、30°・45°・60°・90°のボタンをタップする。スリングを実測できる場合は長さと高さを選ぶ。
- 結果を確認:脚1本あたりの張力、角度係数、荷重を負担する脚数が、角度と各脚の張力を示す図とともに表示される。
- 保存をタップすると計算が履歴に残る。
スライダーは15°から90°まで1°刻みで動きます。ツールバーの単位メニューでキログラムとポンドを切り替えると、すべての項目がその場で変換されます。
色の警告は何を意味する?
- 45°以上:角度は問題なし。
- 30°から45°未満:黄色の「45°未満:張力が急上昇します。スリングの定格を確認してください。」の表示。ちょうど30°もこの範囲に入ります。
- 30°未満:赤い「30°未満:標準的な玉掛け作業では認められません。」の表示。数値はそのまま画面に残りひどさが分かりますが、表示は掛け直しを促しています。
- 5°未満:結果は表示されません。
コツとよくある間違い
- 張力を各脚自身のタグと比較しましょう。各脚には、表示された脚1本あたりの張力以上の垂直使用荷重が必要です。
- 角度を目視で決めないでください。30°付近での10°の誤差は、60°付近の同じ誤差より係数を大きく変えます。スリング長と高さを測るほうが確実です。
- 荷にボルト留めされたものや積まれたものも含め、実際の重量を使いましょう。
- スリングを長くすると角度が上がり張力が下がります。数値が高い場合は、有資格者が計画した長いスリングやスプレッダーの使用が一般的な対策です。
よくある質問
スリング張力の計算式は?
脚1本あたりの張力 = 荷重 ÷ 脚数 × 1 ÷ sin(水平角)。900 kgを2脚・45°で吊る場合、450 × 1.414 = 636 kgが1脚あたりの張力です。
メートル法対応のスリング張力計算機はある?
あります。RigMasterはキログラムとメートル、ポンドとフィートの両方に対応しています。1,000 kgを2脚・60°で吊ると各脚は577 kgです。
スリング張力の計算機能は無料?
2本吊り(角度指定、または長さと高さ指定)は広告付きで無料です。3本吊り・4本吊りにはオプションのProが必要です。
なぜ30度で張力が荷重全体と同じになるの?
sin 30°がちょうど0.5なので、係数が2になるためです。半分の荷重を2倍すると全体の荷重になり、これが浅い角度が避けられる理由です。
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